そうやって、兄貴と会話したり、メールのやりとりしている間に、あっという間に時間は過ぎていった。


「おい、妹!着いたぞ!」


「はーい!」


東京駅に着き、ルンルン気分で改札口に向かう。


「美―希!」


改札口に近付いたとき、誰かが私の名前を呼んだ。
改札口を見ると、そこにはのり姉が立っていた。


「のり姉―――!!」


私は持っていた荷物を勝手に兄貴の肩に下げ、走った。


「久しぶりー!美希、元気だった?」


改札に切符を通すと、のり姉はニコッと笑ってそう言った。


サラサラロングの黒髪、
大きな黒目がちの瞳、
シュッと通った鼻筋に、
ピンク色の唇。

そして、細いのに、色気のある体。
見れば誰もがため息をつく。


この人が、私の自慢のいとこのお姉さんの、のり姉である。


「元気、元気―!!」


台詞のとおり、元気いっぱいに返事をする私の後ろで、自分の荷物と、私の荷物の重みで兄貴がフラフラと、今にも倒れそうになっている。


「おい…妹。俺を殺す気か」


兄貴はゼーハーと息を切らせながら歩いている。


「あ…ごめん、兄貴。」


私は兄貴から荷物を受け取り、謝る。