《演劇コンテスト、賞を勝ち取ったクラスの発表をします。》


放送のアナウンスが流れた。


「あっ、始まった。」


私は放送に耳を傾ける。


「ミッキー。」


「ん?」


妖精の方を向いて、放送に耳を傾ける事にした。


「舞台で活入れてくれてありがとう。」


「ああ、あれ?あれは…ごめんな。皆見てたのに。」


冷静になって考えると、何て事をしたんだろうと思う。


《優秀賞は…》


アナウンスを聞かず、妖精と話していた。


「僕…ミッキーに逢えて良かったよ。」


「な…なんなん。恥ずかしいやん。」


真剣にそう言われると、顔が熱くなる。


《優勝はー…》


「僕…頑張って、桜井先生に告白するよ。」


《1-Aの、【漫才カップル】です》


放送が終わった。私は…放送を聞いていたけど、喜ぶ事が出来なかった。


なんだか、胸の奥がズキズキと痛むようで、ドキドキ鳴っているような。


…なんだか、私、これじゃあ妖精に恋してるみたい。
胸のズキズキとドキドキは、鳴り止む事無く、私達は屋上を後にした。