再び妖精は歩き始めた。
まさか、あの時聞きたかったのは、この事…?


「どうしたん?染五郎さんを好きになったらアカンの?」


私がそう言うと、妖精はまた立ち止まった。



「好きなってはいけない人なんているのかな」


妖精はそう言った。
顔はこちらを向いていない。


「どないしたん?アンタおかしいで…」


「ん?何がだい?」


妖精はコロッと態度を変え、こちらを向いた。
その後の帰り道も、いつもの妖精だったが、何かがおかしい気がした。