「兄貴!ライブ行かへん?」


私は目を輝かせて兄貴を見た。


「あー…あれか、お前の好きな…」


「うんうん、今度東京でもライブすんねんてー!引越してきたからもう見れへんと思ってたのにー!兄貴、一緒に行こう!」


「えー。いつ?」


「10月16日!」


「悪い。その日は彼女と約束あるから。」


か…彼女?


「え…兄貴、彼女出来たん?」


私は目を輝かせるのを止めて、兄貴を見た。
東京に来て、ちょっとしか経ってへんのに、何て手の早い…。


「お前と違ってモテんねん」


兄貴はそう言ってリビングに向かった。


む…むかつくーーー!!
あのワカメ頭!


「いいもんねー!のり姉誘うもんね!」


私は姿の見えなくなった兄貴に舌を出した。
その日の夜は、明日のり姉をライブに誘おうと思い、ワクワクしならな眠りについた。



次の日、朝イチで保健室に向かう。
のり姉にライブの話をするが…。


「えっ?のり姉行けないの!?」


私はショックで保健室で立ち尽くした。


「ご、ごめんね。美希。どうしても外せない用事があって…」


うそぉ~!じゃあ私は誰と行けば…。
私はその場で崩れた。


「ねえねえ、美希はこの学校で気になる子いないの?」


のり姉は嬉しそうに聞いてきた。
そ、染五郎さん…とは、言えない。

この前、保健室で見た時、二人は仲良さそうだったし。


「気になる子、誘ってみたら?」


そ!そそそそそそんな!!恥ずかしいよ!
私は顔を真っ赤にして慌てていた。