たしか…焼肉屋さんって言ってたはず。
どう見ても、
お店の中は落ち着いた純和風の料亭…
着物の仲居さんに案内され
個室に入った。
掘りゴタツ型のテーブルの中央には
炭を入れる囲いと網があった。
『焼肉屋さん…なんだ』
アタシは思わずつぶやいた。
『ここのは絶品だぞ。
今日は特別だからね、
こまちちゃんの入学祝い…
おめでとう』
『えっ!?…アタシ?』
ビールとジュースが運ばれ
美しく盛られた前菜の小鉢も並ぶ。
『では、乾杯ね。
こまちの入学と希望に満ちた未来に…』
かんぱーい!グラスを寄せ合った。
『わぁ…
あの…ありがとう…
サプライズで…
なんか言葉が出ないよ。
すごく嬉しい…』
大介さんが言うように
お肉は絶品。
美味しい食事と
大好きな人達に囲まれて…
幸せで胸も、おなかも一杯になる。
普段あまり、お酒を飲まないケイちゃんも
ちょっと酔ったみたいで
はしゃいでいた。

