ヌードなアタシ


『アタシが許したら?』


ティッシュでは追いつかず
タオルを目に当ててケイちゃんに聞き返した。


『そう…こまちが許したら』


『じゃあ…アタシが許さなかったら
瞬くんは奈緒と付き合ってるの?』


『…さぁ』


ケイちゃんはアタシの胸の内を
問うような目で見つめ返す。


『アタシを好きだったら
どっちにしても奈緒とは別れる…
そう言うのが普通だよね?』


『…まぁ言われてみれば、そうかな』


ケイちゃんは困った顔で頷く。


『やっぱり…
瞬くんはアタシが好きって訳じゃない…
奈緒でもいいかなって
そんなくらいの【好き】なんだよ』


アタシは、またウルウルと泣く。


『アタシの事、何だと思ってんのよぉ』



『そうよねぇ…
こまちの言う事はもっともよ。

でもね、
人それぞれ考え方って違っていて…
瞬くんとこまちでは
恋愛の価値観が違ってたんだね。

瞬くんの恋愛には
こまちが求める恋愛の核心…
きっとそれは【誠実さ】なんだろうけど
そのニュアンスが合致しないのね。

一番の原因は、彼が幼いという事。
悪気があった訳じゃない。

仕草や言葉遣いは大人っぽいのに
精神的には、まだまだ未熟だわ。

こまちの方が、ずっと大人…』