鼻の奥が少しツンとした。 やっぱりあたしは非力なんだ。 男の奏斗くんには力じゃ勝てない。 あたしは抵抗するのを止めて、黙って歩きだした。 「美姫さん?…もうちょっと抵抗するのかと思ってたけど……。やっと大人しく一緒に帰る気になったんですね」