しばらく呆然としていたけど、

僕はプレゼントを

もらった真実が嬉しくて、

赤い箱を持って

部屋を飛び出す。



あの出来事が夢なら

お母さん達は

生きているから。



首から上が無いなんて

あんなのは絶対

夢だから。



そしてなにより、

生きたお母さんに会えるのが

嬉しくて。



死んでいない

お母さんに会えるのが

嬉しくて。



僕は台所へ向かう。



赤い箱に

血がついていたことに

気が付かないまま――。