「フターツ!
オ前ハ泥棒ヲシタ」
「ど、泥棒?!
僕が?!」
「ソウダ。
妹カラ奪ッタ
この黒魔法書ヲ!!」
サンタさんは本棚から、
呪い方の書かれた
あの本を取り出し、
ニタリと笑う。
見たくなかったのに、
暗闇に慣れた目は
残酷にも
赤いサンタさんの姿を映す。
「それは……妹がもっていたら
知らず知らずのうちに
誰かを呪うんじゃ
ないかと思って……」
「言イ訳無用。
ナゼ、
ワシガオ前ノ妹ヲ
殺シタカ分カルカ?」
「い……いいえ……」
「妹モ悪イ子ダカラダ。
コノ黒魔法書ハナ
元々ハワシノ物ジャ!!」
美亜はこの本を
「拾った」と言っていたけど、
まさかサンタさんの
落とし物だったなんて……。



