「どうしたよ?」
「音が聞こえる。足音だ」
 全員が耳を済ます。
 すると聞こえる、何か重たいものが動くような足音が。
「何だ、こりゃあ……?」
 どう考えても人間の足音ではない。そして戦車の移動音でもない。全く未知な足音。
 先頭の男が腕の動きで『散開』を指示する。先頭の男も、銃を構えながら引き下がる。
 足音が、近づく。徐々に……近づく。
 そしてその足音との距離が間近に成ったとき。足音の主が建物の角から姿を現した。
 三、四メートルはある巨漢が……いや、人じゃない。機械的な何かだ。四角い頭部に四角い装甲。そして、手には彼らが持っている以上の大型拳銃が握られていた。