ごくっと唾を飲み込み言われるままベランダに出て 手摺りに捕まりながら下を覗いてみる。 思った以上にある高さに足が竦む。 最上階だからか風が強く感じる。 そして体が再び震え出した。 「震えてるよ」 クスっと笑われたのが悔しくて靴を脱いでよじ登ってみるけど。 怖い。 怖い怖い。 今は春なのに ここまで寒かったっけ? 大して寒くないのに鳥肌が立ってる。 下を見てられなくて瞳を閉じる。 立ち上がることも出来ない。 手すりに掴まる手の力が強くなる。 「ほら、死ぬんだろ?死んでみなよ」