彼が微笑んだ。 それはとても切ない微笑み。 けれど、とても透き通った微笑みだった。 彼は、布団をはがしベッドを下りた。 その体は、衣服を身にまとっていてもとても華奢だとわかった。 肌の色は、まるで雪のように真っ白。 「お兄さん。今は難しいかもしれないけど、辛い時ほど笑顔を忘れちゃダメだよ」 さっきの切ない微笑みとは違い、天真爛漫な笑顔。 あたしはこの時、彼が天使に見えたんだ。