ふと……。 なにやら視線を感じ、顔を上げた。 すると、同室の男の子がこちらを見ていた。 上半身を起こし、下半身だけ布団をかぶっている。 「それ……めっちゃ辛いよね」 男の子の口から出た声は、まだ声変わりをしていなかった。 真っすぐにこちらを見ている。 「僕もわかるよ、その辛さ」 親太郎が袋から顔を上げ、彼の方を向いた。 親太郎の顔色は青白い。 「お兄さんと、一緒なんだ」 「………」 「僕も、お兄さんと同じ病気。もう3年になる」