「すっげー」 開けてみて。 と、あたしに右手をグッと伸ばしてきた。 小さなリボンをほどき、親太郎の右手首につけてあげた。 「菜緒とおそろい?」 そう言って、親太郎はあたしの右手首に自分の手首を近づけた。 「なかなかいいじゃん」 「模様はちょっと変だけどね」 「そこがいいんだよ。完璧だと楽しくねーじゃん」 「それって褒めてる?」 「えー? 最高の褒め言葉じゃね?」 大袈裟に目を丸めて言う親太郎。 その顔がおかしくて、あたしは軽く吹き出してしまった。