もう一度その子に頭を下げ、親太郎のベッドの横へ。 とても静かだ。 ……寝てるのかな。 体調は、どうだろうか。 先生の説明の通り、吐き気とかすごいのかな。 でも……今日も、昨日みたいにちゃんと元気だよね? 何も変わったことはないよね? 「…不審者発見」 ドクンっ――。 心臓が大きく跳ねた。 カーテンの向こうから、親太郎のかすれる声。 「そーゆーのが趣味だったのか」 親太郎が軽く笑ったのがわかった。 あたしは緑のカーテンに手を当て、ゆっくりと開けた。