「不審者発見っ!!」
「――…っ!!」
カーテンの向こうで、突然聞こえた大きな声。
勢いよくカーテンを開けると、そこにはお風呂上がりだと思われる親太郎が立っていた。
「市内吉野町○○番地に、不審者を発見しました。ただちに急行願います」
手には、無線のマイク。を、持っているつもりだろう。
親太郎らしい。
あたしは窓を開け、軽く笑った。
「おまえ、年頃の男の部屋を気安く覗くなよ」
親太郎は声を和らげ、眉を寄せた。
「覗いてなんかないよ」
「覗いてただろ。隠そうたって無駄だぞ。こっちをずっと見てるおまえの影がカーテンに映ってたんだからな」


