□□ あたし達は、一度だけ大きなケンカをしたことがある。 中3の夏。 進路希望の用紙を提出した日。 別に親太郎を攻める権利もないし、親太郎がどこの高校を受験しようが、あたしには関係ない。 親太郎の人生は、親太郎の人生だし。 あたしの人生は、あたしの人生だ。 いくら幼なじみだからって、一生隣にいれるとは限らない。 それなのに、親太郎の用紙を覗き見した瞬間怒りが込み上げてきたんだ。 「何をそんなに怒ってるんだよ」 学校の帰り道。 ずっと不機嫌だったあたしを覗きこんで、親太郎が言った。