親太郎の胸が、ゆっくり動いている。
夕日はもう沈み始め、廊下の電気が点滅しながら点いた。
同時に、部屋の電気も点けられた。
「どんなに辛いか想像できねぇけどさ。負けるわけにはいかないよ」
……親太郎。
「だって俺、やりたいこと、いっぱいあるし。早く退院しねぇと」
親太郎は頭だけをあたしに向け、口角を上げた。
「だから、おまえも笑っとけよ」
どうして親太郎は、こんなに強いんだろう。
いつだってあたしにえくぼを見せてくれる。
内心、恐怖と闘ってるはずなのに。
不安に押しつぶされそうなはずなのに。
絶対に、苦しい表情は見せなかった。



