それからというもの、あたし達はポスター作りに没頭した。
音楽のセンスはあっても、美的センスはゼロな親太郎。
ポスターのデザインは、全てあたし任せ。
あたしだって、初めてのポスター作りだからうまくはできない。
でも、昔から大好きな親太郎の為。
なんだって頑張れた。
「親太郎、こーゆーのはどう?」
「どれ?」
「これこれ。真ん中に親太郎の歌うシルエットを描いて、その上に“メンバー募集”。あとは、親太郎の好きな色にまわりを塗ればいいんじゃない?」
鉛筆で軽く描いた画用紙を見せた。
初めは険しい顔つきの親太郎だったけど。
「なかなかやるじゃん」
すぐに、上機嫌になった。


