「親太郎くん」 「はい」 「これからキミに、全ての事を話す」 「………」 「けれど、自分を失ってはいけないよ。今では治らない病気じゃない。でも…すぐに治るものでもない」 「………」 「しっかり病気と向き合って、治療に耐えること。約束、できるね?」 親太郎は、背筋を伸ばした。 「……はい」 先生は、メガネの中心を人差し指でグッと押した。 先生の鋭い瞳に、親太郎の姿が映っていた。 「検査の結果。キミは、血液のガンだということがわかった」 ――え?