「おわっ!!!!」



目の前の景色が、一気にガクンと下がった。


学校の屋上から、眺めのいい景色を優雅に見下ろしていたのに、ムードが台なしだ。



「やっりぃ!! 今日も俺の勝ち〜」



ガクリと折れた膝を元に戻しながら、後ろを振り返る。


そこにいたのは。



「親太郎、いつになったらその膝カックンやめんのよ」



幼なじみの、親太郎だった。



「ハハッ。 んな簡単にやめてたまるかよ」



親太郎は、紙パックの牛乳のストローを前歯で噛んでいる。



「はぁ!? こっちは毎回迷惑してんの。もう高2なんだから、いい加減やめなさいよ」