あたしはその日から、学校では、片山さんに教わってピアノと歌の練習。
家に帰ったら、睡眠時間を削って勉強をした。
正直、体力は限界だった。
でも、辛い時には必ず親太郎の喜ぶ顔が浮かんできて、あたしにやる気を奮い立たせた。
休憩がてら、カーテンをあけて親太郎の部屋を覗いた。
もうずっと、暗闇のままの親太郎の部屋。
もう、この部屋に明かりがついて、カーテンに親太郎のシルエットが映ることはないと思う。
こうやって親太郎の部屋を盗み見ていると、急に向こうの窓があいて“不審者発見!!”なんて言われることもない。
あたしはベランダに出て空を見上げた。
冬の空は空気が澄んでいて、星がとてもよく見える。
光っては消えて。
消えては光って。
いつか親太郎と見上げた星空。
もう一度、一緒に見上げたかった。
ハァー。
あたしの吐く息が、夜空に美しく映えた。
親太郎、今頃なにしてるんだろ……
ライブまであともう少し。
楽しみだね、親太郎――…


