ムシャムシャと口を動かしながら、首を傾げた。
「わかんないって……診察してから、説明とかなかったの?」
「うーん、特には」
「うそ」
「うそじゃねーよ。マジで何もなかったんだって。ただ、今までの病歴っていうの? そういうのを聞かれてさ。事細かに答えていったら、念のために検査しましょうって」
「病歴?」
「そう。俺、この前熱中症で倒れたじゃん? そのあと熱が出て、んで鼻血が出て?」
「それで検査が必要なんだ。ってことは、ただの風邪じゃなかったんだね」
「んー。よくわかんねーけど」
親太郎は眉間にしわを寄せ、食べ終わった肉まんの包み紙をコンビニの袋に戻した。
そしてそれを、ゴミ箱に投げ入れる。
その時――。


