担任は、あたし達のこの計画を応援してくれると言った。
『会場の準備や、必要なものは揃えるから任せなさい』
その言葉だけで、あたしはとても嬉しかった。
先生が協力してくれる。
これほど心強いことはなかった。
あとは、生徒会にも協力をしてほしくて、4人で頭を下げにいった。
ライブの日程を書いたポスターを、人目につきやすい場所に掲示して。
朝登校してすぐ、校門前で親太郎の病気のことや親太郎の夢を書いたプリントを全校生徒に配布したりした。
全校朝会では、少し時間をもらい舞台の上で直接全校生徒に呼びかけた。
「12月20日。親太郎の誕生日の日に、ここでライブを行いたいと思っています。みなさんもご存じの通り、親太郎は難病と闘ってきました。一度は退院して文化祭で歌を歌いました。でも、親太郎はあと1カ月程しか生きられないと、先生から言われました。最後にもう一度だけ、ここで、この場所で、歌わせてあげたいんです。3年生は受験で大事な時期だってわかってます。でもどうか、1日だけ、いや、1時間だけ時間を作ってもらえませんか? どうか、お願いします」


