そうかもしれない。
1分1秒がおしい今、ライブなんかに時間を使っている暇はない。
でも、あたしは諦めきれなかった。
だって。
親太郎は、この高校でバンドを組むのは難しいとわかっていながら、入学早々生徒会室に頭を下げにいった。
すぐには認められず会長から嫌な顔をされながらも、毎日毎日通いつめた。
バンド仲間を集めて、高校で歌う。
これは、中学の時の親太郎の夢だったから。
その夢を叶えるために、親太郎は諦めずに体当たりした。
そうやって、親太郎は少しずつ確実に自分の夢を叶えていったんだ。
だから、あたしも親太郎のように体当たりしようと思う。
――『俺は、いつも何かをするときに“失敗するかも”なんて思ったことはないよ』
そうだよね、親太郎。
絶対に成功させてみせる。


