あたしは、親太郎の肩に額をつけ、親太郎の腕をさすった。 久しぶりに見た、親太郎の涙。 あたしの前では、きっと無理して笑ってたんだと思う。 颯太くんの『辛い時ほど笑顔だよ』 この言葉を思い出して。 強いよ。 親太郎は、本当に強い。 歌わせてあげたい。 どうにかして、またあのステージに立たせてあげたい。 もう一度、超満員の会場で。 親太郎の大好きな歌を、思う存分歌わせてあげたい。 今の親太郎の“夢”を、あたしが叶えさせてあげたい――。 ―Chapter 8―