「今日はありがとね、親太郎」
病室に戻ったあたし達。
点滴につながれた親太郎を見下ろして言った。
また親太郎は照れ臭くさそうに、あたしから目をそらした。
「昨日言ってたリハビリってさ、もしかして歌の練習だったの?」
「えっ!?」
親太郎の声が裏返った。
真っ赤に染まった親太郎の頬。
予想外の反応に驚いたけど、その顔がすごく面白くて。
「クククっ……」
思わず笑ってしまった。
「な、なんだよっ!!!
笑うなって言っただろ?」
ますます赤みが増す親太郎。
あたしは、目尻にたまった涙を拭い
「ありがとね。
すごく嬉しかった」
素直にお礼を言った。
すると、親太郎は目を泳がせ『おう』と、口を尖らせた。
「まぁ、泣くほど喜んでくれて、俺も嬉しいっつーか」
鼻の頭をカリカリかきながら、親太郎は小さな声で言った。
「親太郎」
「……?」
「笑わないで聞いてくれる?」
「おう」
「あたしね、保育士になろうと思うの」



