翌日。
あたしは親太郎に言われた通り、親太郎が昼ごはんを食べ終わる頃を見計らって病院へ行った。
病室のドアからひょっこり顔を出すあたしに気づき、『おー来たか』と、親太郎は笑顔でベッドからおりてきた。
「今日は点滴してないんだね」
「まぁこれが終わってからしてくれって頼んだからな」
「えー?一体今からなにするつもりなの?」
「いいから、黙ってついて来いって」
親太郎はニッコリ笑って、『早く』と手招きをした。
今日の親太郎は、自分の足できちんと歩いていた。
昨日のような頼りなさは微塵もなく。
久しぶりに、親太郎と並んで歩いたような気がした。
親太郎が向かった先は、小児病棟の学習室だった。
颯太くんと一緒に歌った、あの場所だ。
部屋の中には、あの時のように数人の子供達がブロックなどで遊んでいた。
「ここでなにするの?」
未だ状況を掴めないあたし。
親太郎は、茶色いオルガンの前で立ち止まって、その椅子を引いた。
「ちょっと、おまえに聞いてほしい歌があってさ」



