今回入院してから、あたしは親太郎の苦しむ顔を見たことはなかった。
また前みたいに、抗がん剤で髪も抜けてしまったし、体だってどんどん細くなっていたのに。
あたしが病室に顔を出すと、いつも笑顔だった。
笑顔だったんだ。
だから、あたしは安心してた。
そんなに治療は辛くないんだって。
今回の症状は、以前よりも軽いものなんだって。
入院するときに、退院の見込みはないと聞いていたのに。
それなのに……
9月。
親太郎が入院して、3か月が経った。
学校では、みんなそれぞれの進路に向けて目の色を変えて勉強していた。
あたしも、自分探しをしながら勉強をして、放課後病院に行く時間が少しずつ遅くなっていった。
ある日の放課後。
居残りで少し遅くなってしまったため走って病院に向かうと、廊下で親太郎とばったり会った。
点滴を引きながら、おぼつかない足でゆっくりと歩いている。
時々立ち止まって、壁に手をついて休憩していた。



