ああ……
あたしはなんてバカなんだろう。
不安なのは、あたしじゃない。
親太郎本人なのに。
あたしは昔から、一度に2つのことは考えられない性格なんだ。
先生にあんなことを言われて、すぐに答えをみつけたくて焦って。
そんな自分が悔しくて、すぐに親太郎にあたって。
あたし達はもう17歳。
子供じゃない。
それなのに、性格はまだ子供のまんまで。
体だけは大きくなっていくのに、中身は全く成長していない。
先生は、あたしに課題を与えたんだ。
これから先、ちゃんと1人で歩いていけるように。
困ったときに、正しい選択ができるように。
そっか――…
入試だけに“本気”を出したって意味ないんだ。
大切なのは、“今”なんだ。
今、本気で自分と向き合って、自分探しに没頭しなきゃいけないんだ。
誰にも甘えず、ちゃんと自分の足で立てるように。
「“ごめん”はあたしの方だよね、親太郎。何弱音吐いてんだろ」
今はまだわかんなくていいんだよ。
手探りでもいい。
「親太郎」
「ん?」
「進路、やっぱりあたしなりに考えてみる」


