……は?


片方の眉がピクピクとけいれんする。


安眠妨害?

しかも、逮捕?


「何よ、それ」


「だって、1日の終わりにそんな歌声を聞かせられたら、気持ちよく寝られるはずが、悪夢に襲われるだろ?」


真顔で言われ、怒りで肩がワナワナ震えた。


悪夢……って


「親太郎っ!! あんた、ケンカ売ってんの?」


大股で歩いた分を、また大股で戻った。


親太郎の目の前まで行って、一発お見舞いしてやろうと右手を振り上げた。


でもその腕は、簡単に親太郎に掴まれてしまった。


「偉いぞ。自分から逮捕されにくるなんて」


そのまま、ガチャリと手錠をかけられた。


あくまでも、それはマネだけれど。


何か、今日は無性に腹が立つ。

何だってこんなにイライラするんだ。


「ムカつく!!」



親太郎に向かって叫んだ。


それなのに、親太郎は何故かご機嫌。


あたしの頭を撫でては、『帰ってから特別に特訓だな』なんて、あたしの大好きなえくぼを作って笑うんだ。