高橋くんが手にしていたのは、あたしのスクールバックだった。


「ごめんね。わざわざ持ってきてくれたんだ」


それを受け取り、肩をすくめた。


すると高橋くんは、あたしの肩に手を置き。


「よかったな。親太郎が無事で」


優しく微笑んでくれた。


「うん」


あたしは、叶くんと拓海くんにも『ありがとう』とお礼を言った。


「おい、親太郎。おまえ、田沢のこと大事にしてやれよ?」


拓海くんの発言に、ドキリと心臓が跳ねた。


親太郎の目も、大きく見開いている。


「どんだけおまえのこと心配してたと思う? おまえらの相思相愛ぶりには、ほんと感心するわ」


「そ、相思相愛!?」


親太郎と声が重なった。


ボンっ!!

と、爆発したあたし達。


顔から火が出るくらい熱い。


恥ずかし過ぎて、誰とも目が合わせられなかった。