でもすぐに、真剣な表情に戻った。 「ごめん……冗談」 静かな親太郎の声。 あたしは、しばらく親太郎のきれいな瞳を見つめていた。 ずっと、このまま、親太郎のことを見ていたい。 「俺はもう、大丈夫だよ」 「うん」 「心配すんな」 「うん」 うん。 大丈夫だよね? すぐに退院できるよね? ジュースを両手に持ったおばさんが戻ってきた。 目を開ける親太郎を見て、おばさんも安堵の表情をみせる。 あたしは親太郎と目を合わせ、微笑みあった。