「なぁ、菜緒」
「ん?」
「俺はどっちだと思う?」
「え?」
「進学か、就職か」
親太郎は窓の外から進路希望用紙に視線を戻した。
「どっちなんだろう。でもあたしは、親太郎は音大とかに行くんだろうなって思ってた」
「音大?」
「もっともっと音楽の知識を高めてさ、もっともっと歌もうまくなって。デビューとかしちゃってさ。もちろん、Aile D'angeでね。そして、Aile D'angeのマネージャーをあたしがするの」
「おまえが?」
「なによ、あたしじゃ不満?」
「ハハっ。そんなこと言ってねーじゃん」
あたし達は、お互いの目を見合い、クスっと笑った。
「そんな将来もいいなぁって、ちょっと思った」
あたしが続けると、
「“夢はでっかく。 目標は高く”だもんな」
親太郎は歯を見せ、ニッとえくぼをつくって笑った。
「悪くないな。ってか、最高だな」
「でしょ?」



