「おまえ、無茶すんなよ」
……え?
親太、郎……?
あたしは、肩で息をしながら頭を上げた。
そこには、さっき余裕の表情で走っていった親太郎がいて。
その顔は、苦しさに歪んでいた。
激しい息遣いで、周りの音は何も聞こえなかったけれど。
それはあたしのものではなく、親太郎のものだった。
どうして……?
どうして戻ってきたの?
「悪かったって……」
親太郎は腰に手を当て、唾を飲み込み息を整えていた。
「ちょっと調子に乗りすぎた」
「……え?」
「久しぶりに走れたから、俺、嬉しくてさ。好き勝手に走って、おまえを茶化したけど。よく考えたら、おまえにあんなこと言って置き去りにしたら、絶対におまえは無理して追いかけて来ると思ってさ」



