また、親太郎と春を迎えることができた。
また、グラウンドの桜を一緒に見ることができた。
憎たらしい顔してあたしをバカにする親太郎に、またイライラすることができた。
“また”がどんどん増えていく。
また、新しい1年を一緒に過ごせるんだ。
親太郎は、3年になり大好きな体育の授業を受けられるようになった。
みんなと一緒になってグラウンドを駆け回ったり、サッカーや野球をしてあたしの鼓動を高鳴らせた。
マラソンの時には、トロトロと走るあたしの後ろから息ひとつ乱さずやってきて『遅いぞ~』と茶化して軽々追い越して行った。
いつもそう。
あたしはいつも親太郎の背中を見て育ってきた。
先を急ぐ親太郎に追いつこうと手を伸ばし、いつも必死で追いついて並んできた。
でも……
今回だけは、何かが違った。



