寒い冬を乗り越え、窓の外では穏やかな風が流れていた。
ヒラヒラと舞った桜の花びらは、グラウンドをピンク一色に染め。
大きく息を吸い込むと、新しい命の香りがあたしの体の中に充満した。
窓際に立つあたしの隣へ親太郎がやってきた。
親太郎を見上げると、前髪がそよ風に揺れていた。
そう、親太郎はもうニット帽をとったんだ。
まだまだボウズに近いツンツン髪だけれど、それがすごく似合っていて、あたしは好きだった。
それに、また少し身長が伸びているような気がした。
どんなにあたしが背伸びをしても、同じ目線になることはなく。
「残念でした。 もう俺の勝ちだよ」
と、ウシシと笑った。
あたしがふくれっ面をつくると
「俺の部屋の柱に残すか?」
なんて。
小さい頃はあたしに身長を越される度に地団太を踏んで悔しがってたのに、超ムカつく。



