「うひょー。わっせ眺めいいじゃん。うわっ!! 桜島が真正面に見えるぞ。なぁ、菜緒っ!!」
景色のよさに興奮する親太郎は、固まるあたしを見た瞬間頬を引きつらせた。
「おまえな……」
小さくため息をついた親太郎は、何を思ったのか立ちあがってこちらにこようとしている。
「うわっ!? 親太郎、なにやってんの!! ちょ、動かないでっ!! 揺れてるってばっ!!」
「おまえが暴れるからだろ!! いいからジッとしとけって!!」
「でも、親太郎までこっちにきたら傾くでしょ?」
「大丈夫だって」
よいしょ。と、あたしの隣に腰を下ろした親太郎。
「ほら、大丈夫じゃん」
余裕の表情に、あたしは口をつぐんだ。
すると、親太郎はまたズボンのポケットをまさぐって、さっきのデジカメを取り出した。
小さな窓から外を写し、鹿児島の景色をおさめていった。
次に、あたしの震える横顔までパシャリ。
「撮らないでよ」



