「まぁなぁ。なんでも新しいもの好きなおまえが、ここができたとき珍しく“あれに乗りたい”って言わなかったからな。コイツ、観覧車嫌いなんだなとは思ってた」
「なんだ、気づいてたんだ」
ブツブツと小声で言って俯く。
「屋上は好きなのに、観覧車は嫌いとかおもしれーヤツ」
「だって、屋上は揺れないじゃん」
「はっ?」
「観覧車は風が吹くと揺れるでしょ?」
「グラングラン揺れるわけじゃねーんだから、それくらい我慢しろよ」
「怖いじゃんっ!! もしこれが落ちたらとか考えると、怖くて仕方ないのっ!!」
あたしが涙目になって言うと、『ビビりめ』と親太郎がクスっと笑った。
あたしの必死の訴えも虚しく、観覧車乗り場まで連れてこられたあたし。
少しでも乗り場に列ができていたなら心の準備もできたのに、そこは、いつでもどうぞ状態だった。
係員の人に誘導され、ゴンドラに乗りこむ。
やっぱり乗り込んだ時に、少しグラグラと揺れて。
すぐに腰をおろし、あたしは膝の上で拳を握って恐怖に耐えた。



