アミュプラザ内に入る前に、親太郎は大きなモニターの前で足を止めた。
モニターには色々なアーティストのプロモーションビデオが映っており、今週のオリコンランキグも発表されていた。
でも、親太郎の視線はモニターではなく、その下の小さなステージだった。
そこでは週末になると、様々なイベントが行われるんだ。
たまに、人気モデルのトークショーや、鹿児島出身のアーティストによるミニライブが行われたりする。
そのステージを、親太郎は真っすぐ見ていた。
「なぁ、菜緒」
「うん?」
「俺さ、文化祭で歌った時、自分が高校生だってこと忘れてたんだ」
「え?」
「舞台上から会場を見下して、お腹の底から好きな歌を歌ってさ。わっせ幸せで。本物の歌手になりきってた」
……親太郎。
「会場のみんなが俺らの演奏に合わせて体を動かして声援を送ってくれてさ、会場が揺れてんだよ。それを見たときに、音楽ってやっぱすげーんだなって思った」



