これが、親太郎からの最後のメッセージだった。


真っ暗な葬儀場にスクリーンが下ろされ、ビデオの向こうの親太郎が動いていた。


一番最後に見せてくれた

あたしの大好きなえくぼ。


親太郎。

えくぼ、ちゃんと出てたよ。

キレイに、くっきりと。

男の子のくせに、本当にずるいよ、親太郎は。


確かに、華奢な男は嫌いって言った事もあったけど。

親太郎は、どんなに痩せたとしても、どんなに髪がなくなったとしても。

親太郎は親太郎だよ。




親太郎が旅立ってから、もう4年が経った。


あの日は、珍しく雪が降っていた。


18歳の、クリスマスイブ。


親太郎は微笑みながら、息をひきとった。