颯太くんが天使になってから、親太郎はよく笑うようになった。


颯太くんがいてくれたから、辛い治療にも耐え、今こうして前を向いて生きようとしている。



――『今は難しいかもしれないけど、辛い時ほど笑顔だよ』



あの時の颯太くんの言葉は、ずっとあたし達の胸の中に残り続け、そして、光りとなった。




数日後――。


親太郎の治療が減った。


顔色もよくなってきて、ベッドから楽々と起き上がれるようにもなった。


親太郎のテレビ台の上には、颯太くんの写真。


颯太くんの両親からもらった写真を手に届く位置に置き、毎日体調の変化を報告していた。