親太郎は、必死に涙をこらえている。


でも、背中は微かに震えていた。



「……僕…親太郎と出会えて、よかった……」


「……うん」


「……つまんなかった入院生活が、楽しくなって…夢…が、できた……」


「夢……?」


「うん……親太郎の…歌を聞くこと…と…一緒に、歌うこと……」


「………」


「今日……叶った……」



そう言って、颯太くんが微笑んだ。


その瞬間乱れた呼吸。


看護師さんが少し慌てたけれど、それを颯太くんが首を振って止めた。



「ありがとう……いい…思い出になった……」


「……颯太」


「親太郎の歌は…みんなを笑顔にする、すごい…力があるよね……僕…感動…した。親太郎……」


「……ん?」