「おいおい。鹿児島で有名になるって、それはちょっと無理だろ」
高橋くんは片方の眉をあげ、拳を持っていった。
「いや、案外、なれたりして」
目を輝かせ、叶くんも拳を前へ出した。
「なれるよ。だって、“夢はでっかく。目標は高く。”だもん」
あたしも、拳を出す。
あたし達は、4人で親太郎に目を向けた。
親太郎は驚いてまだ目を丸めたままだったけれど。
点滴でつながれた左手でずれた帽子を直しながら、ゆっくりと右手を持ち上げた。
コツンとぶつかった5つの拳。
親太郎の右腕についているミサンガと、あたしのミサンガが微かに揺れた。



