さらけ出された親太郎の頭。
全部の髪をそり、肌がむき出しになっている。
親太郎は、ニット帽をきつく握りしめた。
でも――…
「何暗い顔してんだよ」
「……え?」
親太郎の傍に歩み寄った高橋くんは、親太郎の手からニット帽を奪い取った。
「それ、似合ってんじゃん」
「……高橋」
「おまえ、知ってるか? 一度髪を全そりしたら、そのあとめっちゃキレイな髪生えてくんだぞ」
「………」
「次は、サラサラヘアーだ。シャンプーのCMのオファーくるかもしれねぇぞ」
そう言って、高橋くんは親太郎にニット帽をかぶせた。
「おまえは、どんな姿になっても俺らの仲間だ。Aile D'angeのボーカルで、リーダーだ。そんな顔してるヒマがあったら、とっとと退院して練習に顔出せよ。文化祭まであと1カ月しかないんだぞ。練習して、俺らの曲も完璧に仕上げようぜ」



