「親太郎、体育祭出るんでしょ?文化祭で歌うんでしょ?拓海くん達だって、親太郎が帰ってくるの待ってるんだよ?親太郎が歌わないで、誰がAile D'angeのボーカルやるのよ。生きて、治療に耐えて、また、一緒に学校行こうよ」



親太郎は、一度大きく深呼吸をした。


感情をコントロールするように呼吸を整え、おもむろにあたしの方に向き直った。


目の前にある親太郎の顔。


キレイな二重の目。


キリンのような長いまつげ。


そして、あたしの大好きな右頬のえくぼ。



あたし達は、お互いの額を合わせ、間近で目を見合った。


しばらくして目を閉じ、静かに微笑みあった。







神様――…


どうして、親太郎じゃなきゃいけなかったんですか?


どうして、こんなにも早く星にならなくちゃいけなかったんですか?


あたし達はまだまだ生きて、夢を叶えて、たくさんの挫折を経験して、大人になっていきたかったのに。


どうして、親太郎は18年とういう短い人生に幕を閉じなくちゃいけなかったんですか?


あたしは、悔しくてなりません……







―Chapter 4―