「親太郎、柱にかかとをつけてもっと背筋伸ばして」
まず最初に、親太郎の測定。
親太郎の頭に定規を置き、えんぴつで印をつける。
「おっ。去年よりだいぶ伸びてるじゃん」
「ほらっ。だから言っただろ?」
と、ツンと顎を突き出した。
次はあたしの番。
親太郎と同じように柱に背中をつけ、親太郎が線を引く。
「……うそだ」
ショックを受ける親太郎。
あたしはクルリと振り返り、柱の印をチェックする。
親太郎より、10センチほど上に線があった。
まぁ、こうやって並んでみても、明らかに肩の位置が違うから間違いはないと思うんだけど……
「おまえ、背伸びしてただろ!! 反則だぞっ!! もう1回やり直しだ!!」
そこまで言うなら、何回でもどうぞ。
でも、変わらないと思うよ……
たぶんだけどね。


