ハッと目が覚める。 突然の大声に、鼓動が乱れる。 頭までズキズキと痛みだした。 「こらっ。おまえは大人になりたくないのか」 コツン。 と、ゲーム機の角であたしの頭を小突いた親太郎。 「…あたし、寝てた?」 「寝てたよ。いびきかいて、目を開けて、よだれ垂らして」 親太郎に言われ、慌てて口元を拭う。 「って言うのはウソだけど」 ウシシと笑う親太郎。 「酷いっ!! 嘘つきは泥棒の始まりなんだよっ!!」 「はいはい。勝手に言ってろ~。 寝てる方が悪いんだろ~」