「ホントに、荷物って
これだけなのか?」
小さめのキャリーバック、
そして、
どこかのショップの紙袋…
山内芽依の荷物が
これだけとは…
今時の若い娘にしちゃー
少なすぎじゃないのか…?
「はい…これだけです…
だって、家具は備え付けだし、
着替えとかは、家…
いえ、実家の方から
また、持ってこようと
思っていたとこですから…」
「そうか…
じゃぁ、行くか…」
「はい…」
俺は、キャリーバックを持ち、
玄関を出ようとした
すると…
「松嶋さん…
ちょっと、よろしいかしら…」
後ろから、
モノ申すとばかりの声色で
呼びとめられた

