私の午前中の仕事も
滞りなく進んでいき、
(当たり前なんだけど…)
お昼休みは、
さとみと一緒に過ごせた
15:00前後には
10分の休憩をそれぞれが
頃合いを見て取る
私も、一息つこうと
席を立った時
「山内くん」
課長が私を呼んだ
「はい…」
課長のデスクに行き、
何だろう…と
課長の顔を見る
「お呼びでしょうか…」
「この会社のデータ、
ネットワーク上にないんだ
悪いが、下の資料室へ行って
探して来てくれないか?
たぶん、10年近く前のデータだから
すぐに探せるとは思うが…」
「あ、それなら……っぁ…
いえ…、お、お急ぎですか?」
「…? いや…
今日中に…わかればいいんだが…」
課長の
メガネの奥の瞳が細くなり、
眉間に少し、シワが寄った
や、やばっ…
「はい、わかりました
では、行ってきます…
あ、資料室は…?」
「あぁ、下の階に行けば、すぐにわかる」
「はい」
課長からメモを受け取り
急ぎ足で、フロアを出た
はぁーーーっ
もう少しで、データのある場所わかる、って
言うとこだったよぉーーー
ヤバいヤバい
課長も不思議そうな顔してたし…
気をつけないと…
階段を降りながら
ドキドキとする心臓に手を当て、
深呼吸をした

